The Room of Requirement

必要な人が必要な時に必要なことを

現代の魔法使いが日本を再興させる:『日本再興戦略』

『日本再興戦略』News Picks Book 著者:落合陽一 「世界で最も注目を集める日本人科学者が、日本再興のための戦略を考える」 メディアアーティストであり、筑波大学の研究者であり、ベンチャー企業の経営者である落合陽一氏が、ポスト平成の時代の、革命で…

人間性の暗黒面を探る:『ルシファー・エフェクト』

『ルシファー・エフェクト』海と月社 著者:フィリップ・ジンバルドー 悪とは何かを知らずして、悪を正すことはできない 1971年に行われたスタンフォード監獄実験は、人間の信じられないような負の側面を暴き出したことで世界中に衝撃を与えました。現在でも…

みんなどこにいる?:『広い地球に地球人しか見当たらない50の理由』

『広い地球に地球人しか見当たらない50の理由』青土社 著者:スティーブン・ウェッブ 訳:松浦俊輔 地球外文明は存在するはずなのに、われわれはその証拠をつかめない 「われわれは孤独なのか?」これは間違いなく、私たち人類が抱える究極の謎の一つでしょ…

Remember Catastrophes:『最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか』

出典:NASA 『最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか』草思社文庫 著者:ジェームズ・R・チャイルズ 私たちが経験した大事故を振り返り、学ぶ 現代において、巨大システムの制御室は最も危険な場所の一つとなっています。本書では、50あまりの事例を紹…

‘古典的’自己啓発本:『知的生活の方法』

『知的生活の方法』講談社現代新書 著者:渡部昇一 知的生活の方法を伝授 今年4月に亡くなった英語学者の著者が知的生活の方法、とりわけ読書を中心とした生活の方法について、自身の体験をもとに様々な考察を行います。 本書の概要 1 自分をごまかさない精…

ペンは剣よりも強し:『世界を変えた10冊の本』

『世界を変えた10冊の本』文春文庫 著者:池上彰 池上先生が選ぶ、世界を変えた本 1冊の本は、そしてそこに記された思想は、時に何万人もの人々に影響を与え、世界の歴史を動かすことがあります。本書では池上彰氏が「世界を変えた」と思う10冊の本を厳選し…

日本の宇宙探査が危ない:『はやぶさ2の真実』

出典:JAXA 『はやぶさ2の真実』講談社現代新書 著者:松浦晋也 日本の宇宙探査の現状を知る 2010年6月13日、7年以上にわたる宇宙の旅を終え帰還を果たしたはやぶさは日本中を熱狂させました。そのはやぶさの後継機にあたるはやぶさ2の計画は何度も計画中止…

我々は失敗作である:『人体 失敗の進化史』

『人体 失敗の進化史』光文社新書 著者:遠藤秀紀 人体の設計図はその場凌ぎの設計変更の塊である 獣医学博士の著者が、心臓や骨、耳、臍、四肢などといった人体の各部分がどのような来歴を持つのかを紹介しながら、進化とはその場凌ぎの突飛な設計変更の数…

真理を追究する6人の偉人:『知の逆転』

『知の逆転』NHK出版新書 著者:ジャレド・ダイアモンド、ノーム・チョムスキー、オリバー・サックス、マービン・ミンスキー、トム・レイトン、ジェームズ・ワトソン どこまでも真実を追い求める巨人たち 生物学、言語学、神経学、コンピュータ科学、応用数…

齋藤先生の読書術:『大人のための読書の全技術』

『大人のための読書の全技術』中経出版 著者:齋藤孝 読書の達人が教える読書のすべての技術 30冊ほどの本を同時並行に読み、多い日には10冊以上の本を読破するという齋藤先生が、自らが実践している読書に関わるあらゆる技術を惜しみなく伝授してくれます。…

超並列計算で革命を起こす:『量子コンピュータとは何か』

『量子コンピュータとは何か』ハヤカワ文庫 著者:ジョージ・ジョンソン 次世代コンピュータの原理と潜在能力を語る 量子的な現象を用いることで全ての計算を同時に行うことで計算回数を劇的に少なくできる量子コンピュータは今まさに開発が進んでいるテクノ…

5人の先達の慧眼:『人類の未来』

『人類の未来』NHK出版新書 著者:ノーム・チョムスキー、レイ・カーツワイル、マーティン・ウルフ、ビャルケ・インゲルス、フリーマン・ダイソン、吉成真由美[インタビュー・編] 2017年、今知りたいことを世界最高の知性たちが語る ベストセラーとなった『…

不可能と可能の境界を探る:『サイエンス・インポッシブル』

『サイエンス・インポッシブル』NHK出版 著者:ミチオ・カク 現代物理学界代表する博士がSF世界は実現可能かを検証 タイムトラベル、テレポーテーション、超光速航行、…。『スター・トレック』や『透明人間』などのSF作品に登場する夢のテクノロジーが実現可…

神の存在という「仮説」を粉砕する:『神は妄想である』

『神は妄想である』早川書房 著者:リチャード・ドーキンス 世界一有名な不可知論者が宗教を徹底的に攻撃する 9.11を始めとして、世界各地で宗教が背景にあるテロ・紛争が巻き起こる現代の世界情勢を憂慮して、『利己的な遺伝子』の著者として有名なドーキン…

なぜあなたは不合理に行動する?:『予想どおりに不合理』

出典:Gideon 『予想どおりに不合理』ハヤカワ文庫 著者:ダン・アリエリー 行動経済学があかす「あなたがそれを選ぶわけ」 「なぜ人々はスターバックスに列をなすのか」から「パーティーで魅力的に見られるためには」まで、不合理で滑稽な人間の行動を予測…

宇宙は必然か偶然か:『宇宙はなぜこのような宇宙なのか』

『宇宙はなぜこのような宇宙なのか』講談社現代新書 著者:青木薫 『宇宙なぜこのような宇宙なのか』という問いにパラダイムシフトを引き起こす 目的論という怪しすぎる衣をまとい、科学者たちに拒絶された人間原理の問題は、多宇宙ヴィジョンの登場によって…

人間の姿をした悪魔たち:『異常快楽殺人』

『異常快楽殺人』角川ホラー文庫 著者 平山夢明 怪物となった人々の不幸で残酷な人生を描く 殺人は人が犯してはならない最も重大な罪の一つです。しかし、歴史上には何十・何百もの殺人を犯した“怪物”たちがいます。その実態を知れば「人はここまで残忍にな…

懊悩の果ての死地:『青の炎』

『青の炎』角川文庫 著者:貴志祐介 殺人というものを17歳の犯人の視点から見つめる 貴志祐介さんのミステリーで、Amazonのレビューが多く評価も高いので有名な人気作であるようですが、お気に入りの一冊なので改めて紹介させていただきます。僕は見たことは…

数学・物理学が恐れる最も危険な概念:『異端の数ゼロ』

『異端の数ゼロ』ハヤカワ文庫 著者:チャールズ・サイフェ 文明を揺さぶり続けてきたゼロ ゼロがもたらす無と無限大は、人間を悩ませ文明を揺さぶり続けてしました。数学、哲学、宗教、天文学、そして物理学、あらゆる場面で恐れられ拒絶され危険視された概…

宇宙を旅した先駆者たち:『宇宙からの帰還』

『宇宙からの帰還』中公文庫 著者:立花隆 宇宙飛行士たちの衝撃に満ちた内的体験を鮮やかに描いた本 有史以来、人類にとって宇宙とは、残されたフロンティアという以上の、聖域とも呼ぶべき特別な場所であり続けたことでしょう。ニュートン以前の時代には、…

クリティカルシンキングとは何か:『哲学思考トレーニング』

『哲学思考トレーニング』ちくま新書 著者:伊勢田哲治 「屁理屈や詭弁、権威に騙されずに世の中にあふれる様々な主張を考えるための本」 科学哲学・倫理学の専門家である著者が、クリティカルシンキングの方法を具体例を交えながら筋道立てて述べています。…

天才vs天才:『容疑者xの献身』

『容疑者xの献身』文春文庫 著者:東野圭吾 「ただ、あなたに幸せになってほしい」哀しいまでの献身 第134回直木賞受賞作。東野圭吾さんのガリレオシリーズは天才物理学者湯川学が難事件を科学的アプローチによって次々と解決していく人気シリーズで、ドラマ…

世界を圧倒したZero Fighter:『零式戦闘機』

出典:Cliff 『零式戦闘機』新潮文庫 著者:吉村昭 太平洋戦争開戦前から、何年にも渡って圧倒的戦果を収め続けた零戦の開発そして盛衰を描いた本 零戦は日本海軍が生んだ当時最高の戦闘機として有名ですね。「永遠の0」や「風立ちぬ」などのヒットした映画…

最新宇宙論入門:『宇宙は本当にひとつなのか』

『宇宙は本当にひとつなのか』ブルーバックス 著者:村山斉 最新宇宙論のエッセンスが盛り込まれた本 暗黒物質、暗黒エネルギー、宇宙の大規模構造、多次元宇宙、異次元。実験や観測から次々と生まれる謎を解くと、解いた謎より多くの謎が行く手を阻む。つい…

大東亜戦争敗戦から学ぶ:『失敗の本質 日本軍の組織論的研究』

出典:Nelo Hotsuma 『失敗の本質 日本軍の組織論的研究』中公文庫 著者:戸部良一、寺本義也、鎌田伸一、松之尾孝生、松井友秀、野中郁次郎 大東亜戦争における敗北を組織としての日本軍の失敗として捉え直し、現代の組織の教訓として活用することを目的と…

プロローグ

自己紹介 初めまして、yutoと申します。 工学部の学生で、都内で一人暮らしをしています。 趣味はサッカー、読書、そして野球観戦(ホークスファン)で、料理がちょっと得意です。 読書記録そして日記として、このブログを開設することにしました。 読書につ…